氷河の裂け目
キーナイ・フィヨルド国立公園 アラスカ ２０１５
5 x 7 in / 12.7 x 17.8 cm / Open Edition
8.5 x 11 in / 21.6 x 27.9 cm / Open Edition
13 x 19 in / 33 x 48.3 cm / Open Edition
16 x 24 in / 40.6 x 61 cm / Open Edition
20 x 30 in / 50.8 x 76 cm / Open Edition
32 x 48 in / 81.3 x 122 cm / Open Edition
早朝から小雨が降る中、僕は氷河内部の青さをこの目で見てみたいと思い、足で近づけるポイントを探していた。昨晩入った寝袋の心地よさから一変し、海に近い南アラスカの朝は、真夏でも肌寒い。
危険を承知の上、氷河の内奥へ入っていく。そこで見た、裂け目の深部に広がる氷の美しさ。どこまでも消散しない合わせ鏡を覗きこんでいるようで、しばらく見ていると青蒼の世界に取り込まれてしまいそうになる。とりわけ、光の波が逃げ出すことができず、行き交うことで濃く深くなる青は、氷河それ自身を個性的なものにつくり上げていた。こんな澄んだ青さは、いままでどこにも見たことがない。
色、音、頬をあてた時の氷の冷たさ。五感で感じる氷河は、頭で理解していた無機質な氷の流れだけではなく、僕自身の感官を伝って内部に浸透してくる水の営為でもあった。氷河に近づき触れることで、氷河のなかに流れる水が、僕たちの体に流れる水となんら変わりはないという一体感さえ生まれてくる。
（中島たかし「シーズンズ・オブ・ライフ」 第一章より抜粋）
この写真に関する詳しい内容／プリントについては
下記メールアドレスかメールフォームにてお問い合わせください。
info@nakashimaphotography.com