月夜のオーロラ
チャタニカ アラスカ 2014
5 x 7 in / 12.7 x 17.8 cm / Open Edition
8.5 x 11 in / 21.6 x 27.9 cm / Open Edition
13 x 19 in / 33 x 48.3 cm / Open Edition
16 x 24 in / 40.6 x 61 cm / Open Edition
20 x 30 in / 50.8 x 76 cm / Open Edition
街を離れ、人の気配がない郊外へ出ていくと、月明かりとはこんなにも明るいのかと改めておもう。冬のあいだ白樺の木々は葉を落としているので、ライトなしでも真夜中の森を散策できるほどだ。
星を見るには新月の夜が最適だが、月のある夜空も深い瑠璃色を帯びて美しい。雪を乗せた白樺の木を眺めていると、木立の裏から淡い青磁色の北極光がぼんやりと浮かび上がってきた。オーロラはゆっくりとその姿を変えながら、北の空に弧を描いていく。
雪面は安定しなかったが、三脚の足をつきたて、低いアングルから少し上向きにレンズを向けた。その幻想的な風景の中に、自分の姿が影として入らないように撮影する。
この夜は、オーロラが激しく踊ることはなく、ただぼんやりと現れては消え、また少し出てきたかと思うと月夜に消えた。そんなかすかなオーロラを見ていると、虹の足元へ行ってみたくなるのと同じように、オーロラが生まれる極北の、より遠い世界へ行ってみたい衝動にかられる。
中島たかし「北の大地アラスカ」(写真展)より抜粋
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