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寄り添うパフィン

セントポール島 アラスカ 2017

5 x 7 in / 12.7 x 17.8 cm / Open Edition
8.5 x 11 in / 21.6 x 27.9 cm / Open Edition
13 x 19 in / 33 x 48.3 cm / Open Edition
16 x 24 in / 40.6 x 61 cm / Open Edition
20 x 30 in / 50.8 x 76 cm / Open Edition
32 x 48 in / 81.3 x 122 cm / Open Edition


 愛らしい風貌の二羽のパフィンが、崖に立っているのを見つけた。僕は近づき、草をかき分け覗き込む。

 しばらくすると、オスとみられる一羽が、私の目の前で踊りだした。踊ると言ってもダンスではなく、その様子は囃子に乗って演じられるゆるやかな舞、固有のフォルクローレ。翼を広げたり…。しかしこれは踊りの中での一部としてなのか、本人がただ伸びをしたかっただけなのか、あるいは両方で、うまく踊りに組み込んだつもりなのか。そもそも決まった型があるのかすら、それは結局わからなかった。首をすくめて、くちばしの先を空へ向けて大きく傾け、そしてメスに寄り添うようにして、あまりにも辿々しく、いくつかのステップを踏んだ。

 求愛は、長く続いた。夏だけの赤いくちばしと優しく尖ったまぶた。艶やかな白い頬。いまこの時を掴み、確実にしている情熱。夏の間のかりそめの内にある、本当の姿。

中島たかし「人と生きものとの狹間」より抜粋

 
 

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